第9回ユッカヌヒーアート展
ギャラリー名:壺屋焼物博物館
期間 :2012年6月19日〜6月24日
住所: 那覇市壺屋1-9-32
website: http://www.edu.city.naha.okinawa.jp/tsuboya/
琉球新報 美術月評 6月より
文化を社会に伝えていく役目としてアートがある。そしてアートが栄える事により、生活環境は豊かになる。その事を教えてくれる展示会が「ユッカヌヒーアート展」(6/19~6/24、壺屋焼物博物館)である。
玩具ロードワークスの豊永盛人氏が主催するこの展示会は、今年で9回目を迎えた。
沖縄では過去に旧暦5月4日ユッカヌヒー(四日の日)に子どもたちの健やかな成長を願い、玩具を買い与える風習があった。現代では失われてしまった沖縄独自の風習を取り戻す為に、毎年開催されている。その性格から、通常の展示会とは一味も二味も違った趣がある。出品作家には、「玩具」というテーマだけを伝え各自の解釈で作品を制作し出品されるので、必ずしも「玩具」が展示されている訳ではない。琉球張り子から、創作カルタ、着ぐるみから、立体作品、平面作品など様々な作品が展示されるが、見るだけでなく、触って遊べる作品もあり、親子共々楽しめる展示会になっている。「玩具」というテーマから発想された作品たちは、どれもユニークでなによりユーモアがある。アートという堅苦しい考えを取り払い、見て触れて楽しむという体験は、生活や精神を豊かにしてくれる。しかし本来アートの役割は、そこにある。過去にこの日が風習として根付いていたという事は、豊かな文化、生活習慣、そしてアートへの関心があったと言える。今後も継続して、是非とも風習として根付かせていってもらいたい。
黄金忠博