雲雨 平岡昌也
ギャラリー名:ギャラリーラファイエット
期間 :2012年6月16日〜6月24日
住所: 沖縄市中央4-1-3・2F
website: http://rougheryet.blogspot.jp/
琉球新報 美術月評 2012年6月より
平岡昌也展(6/16~6/24 ギャラリーラファイエット)では「コンセプトと表現」を非常に強く意識した仕事を見る事が出来た。彼は「うんう(雲雨)」というテーマで10年以上描き続けているという。福岡から2年前に来沖し、沖縄で制作していく中で作品は徐々に変化してきたそうだ。パネルにキャンバスを貼り、アクリル絵具で彩色された平面の上に不思議な不定形の半立体の形態がランダムに構成され張り付いている。具体的な形態は見当たらないが、これらが風景を表している事は容易に理解出来る。彼は、映像と絵画の違いを指摘する。映像は、離れて見ても近寄って見ても情報は変わらないが、絵画の場合は全く違うという。彼の作品を近くで見ると、微細な色彩の変化や表情が見て取れる。さらに、1㎜にも満たないパール状の光る点を発見する事が出来る。この点は、離れた所からは見る事は出来ない。このことから「見える」という現象を「視る」という行為に切り替える必要がある事を観客側に問いかけているように感じた。彼の明確なコンセプトと表現方法の一致が、見る側に的確に伝えていると言える。彼は今後コザを拠点として創作活動を展開していくようだ。今後の更なる展開に期待したい。
黄金忠博