「 むこう・̶の【無効の/向こうの】 」
900×1900mm紙 2012 年制作 広辞苑を、写す。 ひたすら、ひたすら、ただひたすらに。 そのうち、私が文字を書き込んでいるのは、 目の前にある紙の空白なのか、 それとも、目の奥にある私の内側なのか。 そんなこともわからなくなっていく。 あの時の私は、 どこまでが外側で、 どこまでが内側だったのだろう。 |
「 しょうしつ 」
1000×800㎜グラシン紙、カーボン紙による転写 2012 年制作 外へ出ていったことばは 浮き上がり、混ざり合い、消えていく。 消えていったことばのあとには 意味も意義も持たない空っぽな“何か”が無秩序に残った。 |
「 ことば 」
2200×4500㎜カーボン紙による壁への転写 2012 年制作 毎日繰り返される、共通のことばへの変換。 その度に、私の内側にあることばは違うものに変わっていく。 それならもういっそ、 ことばなんてなくしてしまえばいい 文字の連なりが単純なと記号になっていく。 その中で私はなくしたはずのことばやその流れのようなものを感じたのだった。 |